第19回 ”昭和の仙台”8ミリで楽しむっ茶会

日時:平成25年11月13日
会場:JR東日本南小泉アパート仮設住宅 集会室
企画:六郷・七郷コミネット
主催:20世紀アーカイブ仙台


11月13日で最終回を迎えた「“昭和の仙台”8ミリで楽しむっ茶会」はJR南小泉アパート仮設住宅集会室で行われました。今回も、懐かしの道具、映像、写真を観賞しながら、荒浜にお住まいだった参加者のみなさんから聞き取りを行いました。

特に盛り上った話題は、松林で採れたキノコのお話と運動会のお話でした。荒浜の松林ではキノコが豊富に採れ、それを商売にしている人が居るほどだったと言います。東に出れば海、西に出れば貞山堀と、キノコ採りの場として遭難の恐れがないことも良かったそうです。アミタケ、ムラサキシメジ、マツタケ、キンタケなどの他に、松露(ショウロ)という高級キノコも生えていて、毎年食べていたという思い出を語っていただきました。
また、荒浜では町を挙げての町内会対抗運動会が行われており、大変賑やかだったそうです。勝つためには昼夜を問わず、地域一丸となって練習を続けていたというお話を伺いました。取材に来ていた東北学院大学の学生からの「夜遅くまで運動会の練習を行っていたという事ですが、明かりはどのように点けていたのですか?」という質問に対しては、「モーターの発電機でライトを点けてやっていたんだよ。あるいは、近所の家のコンセントから引っ張ってきていたんだ。」という驚きの答えがありました。ご近所のお宅のコンセントを勝手に使っても、誰もが運動会に真剣に取り組んでいたので、怒る方はいなかったそうです。運動会当日はどの家も無人になりましたが、鍵を掛けないことが当たり前でした。「津波が来る前まで鍵はかけていなかった。」と、地域の結びつきの強さが感じられるお話を伺う事が出来ました。

昨年度から数えて19回もの楽しむっ茶会を開催する中で、六郷、七郷地区の人々の暮らしについて聞き取りを実施してきました。現在、聞き取った内容をまとめ、地域誌「ふたつの郷」として冊子にする準備をしています。「ふたつの郷」の発刊は平成26年3月を予定しています。なお、平成26年4月以降、この冊子を用いた事業の展開についても、同時に検討しています。